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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

平成21年の心構え

1月5日から今年の仕事が始まったが、昨年までとは異なり初日から完全に通常モードとなった。年始の挨拶もそこそこに、仕事の打合せのメールや電話が続いた。おかげさまで、急を要する事柄はなく、現在の売り上げ減にスピーディに対応する具体策や年初予算修正に関するものが多かった。

 今年はトップの役割がこれまで以上に重要になる。そしてトップの補完者が、トップとどれだけ一体感を持った行動がとれるかも大きなカギにもなる。トップの思いの推進役を担うのか、逆にトップの邪魔(足手まとい)となるのかが見えてくるだろう。これから予想される厳しい情勢に対応するには、上位層のパワーの引き上げなくしては難しい。
 トップは、「今どのような問題が起きているのか、その原因は何か?」を分析的に解釈して、本当の問題や原因を突き詰めて具体的な方針を出し続けるのが今年だ。

 大阪の実力ある税理士先生から1月5日昼前にいただいたメールには、「私の顧客が集中する東大阪市は企業の約三分の一が自動車関連業種です。11月、12月は対前年7割ダウン、8割ダウンと過去の経験にないような状態に陥っている企業が多いです。特別保証制度の利用率は昨年11月半ばで大阪枠の5000億円に対し1600億円が消化されました。12月には申込みが殺到したため決済が降りない状態にあります。政府の追加経済対策が昨年末までに決らなかったのは中小企業にとって痛手となっています。」と書かれていた。
 対前年7割ダウン、8割ダウンとは強烈な数字だ。思わず立ちすくむ人が多いのではないだろうか。

 数字の真偽はともかく、年始の新聞記事では、「アメリカ経済は30兆円縮小するだろう、日本はアメリカだけでなく中国への輸出も減るだろうから、我が国のGDPは向こう3年マイナス3%が続くだろうし、円高も対ドルで90円から最低でも80円、場合によっては70円になるのでは…」というものまであった。

 普通の時は組織の底辺を引き上げる努力はいいことだが、今の緊急時には間に合わないだろう。上位層の何人かをミニ社長にし、部下もそこから必死に学び、結果として管理層も若手も伸びることを期待するしかないのが今年だろう。
 
 私の2000年の開業以来、関わる中小企業ではダメ管理職の存在、力の発揮するマネージャーの不在という課題が途切れない。その理由を想像すると、新人から30歳になるまでの教育や現場でのOJTを含む実務が、経験主義と本人任せで推移し、論理的に「なぜこのような働き方が求められるのか」ということを考えずに、「これはこうする、これはこうなるというハウツー対応」で働かせてきたことに原因があるようだ。本人もそれで自分が十分仕事ができるという認識だったはずだ。
 大手企業の子会社では、私より年長の方でも、OJTを大事にし、QC的手法を使い、時間がかかっても次第に分かるように見える化を工夫し、40歳前後には計数と利益、資金の関連の基礎ができるように努めている。中小企業と人づくりのスパンの差を強く感じるところである。

 これから起きる諸問題を克服していくには、大企業との違いや中小零細規模を言い訳にしても始まらない。何が何でも倒産せずに生き残る、目の前に現れる問題は苦しくとも乗り越えるという覚悟を持とう。言い訳をいくら羅列したところで、課題は無くなるものではない。制度や仕組みも大事だが、トップの人事権とリーダーシップを武器に、腹をくくって、実行するたくましさを前に出していこう。

[ 更新:2009-01-12 17:05:18 ]

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