新聞報道だが、文部科学省の発表で2007年度に小中高で合わせて5万3千件の暴力行為が発生していたという。私にはこの数が多いのか、この問題の意味が何かは分からない。過去には隠蔽されて表に出なかったことが、表面化されるようになり、統計数値に表れているものもあるだろうが、生徒間暴力数が前年比22%増、器物損壊同18%増、教師への暴力同9%増という傾向は、ただ事ではないと感ずる。
大人たちにあっても、最近精神科医を苦悩させるのが「プチうつ」を訴える若者たちだという。以下http://beautystyle.jp.msn.com/healthcare/feature/utsu/info/in03.htmから引用する。
「職場で嫌なことがあったり仕事で挫折したりすると、『うつなので、診断書を書いてください』とやって来ます。『うつ』という病気の敷居が低くなり過ぎたことが原因でしょう。こうしたタイプは、『葛藤回避型うつ病』『逃避型うつ病』とよばれ、落ち込みの原因がハッキリしているのが特徴です。もともとストレスに弱い性格傾向にあり、抗うつ薬などがほとんど効きません。治療には、精神療法やカウンセリングなどが適しています。
『プチうつ』は、じつは1975年ごろから20歳前後の若者に見られ、問題視され始めていました。最近は“年齢の八掛け”といわれ精神年齢が下がっているため、30歳前後の人にもよく見られます。『うつかもしれない』と感じたら、まずは精神科医を訪れてください。一人の医師の診断では不安だったら、2〜3人の医師の診察を受けるとよいでしょう。すべての医師に『あなたは病気ではありませんよ』と言われたら、それはうつ病ではありません。病気に逃げず、現実をしっかり受け止め、乗り越える強さを持ってください。」(引用終了)
ここ数年にわたり、大人社会の倫理観や道徳観の低下、規範遵守意識の欠落も指摘されるようになっている。これらの大人社会を投影したのが子供社会という人もいる。同じ時代に生きているとは言っても、年代が異なると生まれた時代も育った時代もかなり違う。経済環境も物質環境は、私の子供時代と今は全く違う。その中にあって、個人の個性が成長するには、各年代で関わる組織に適合するというか調和するように、絶えず自分自身を規律していくことは必要だ。自律できる人が欠けていく組織は秩序も欠けていく。
国は違うが、米国経済学者ジェームズ・コリンズ氏の言葉は、日本の企業がこれまで意図してきたものだ。「永続する会社は時間に追われるのではなく、自らを律する時計を作る。今の瞬間だけに目を奪われず、過去と未来に目配りする経営が、長期的に持続する新の価値を紡ぎだす。」個々人の問題は組織の問題となっていく。子供の問題は5年後10年後の大人の問題となっていく。だからこそしっかり自律した多くの大人が必要だ。