あなたの相談する力、相談される力は?

独立してしみじみ思うことは、「人は誰かに支援されて育つもの。」ということです。孤立しては生きられません。仕事は来ません。孤独に耐えることは結構しんどいことです。カウンセラーという人は、「悩みを抱えた人の相談に乗る外部の専門家」です。

 いつも私を励まして下さる、ミック研究所代表の佐藤茂則先生は、カウンセラー養成のお仕事もされています。私の職業である経営コンサルタントは、寄って立つ専門分野(特に会計と組織)において、中小企業を対象に経営者(時には管理者・社員の場合もあります)の相談に乗り、課題の解決に道筋をつける仕事です。
 これに対して、職場内の経験ある先輩や直属上司以外の他の部署の上司などが相談に乗ることを、メンタリングといいます。大手の企業ではメンター(助言者)制度を導入しているところも多いと、日本経済新聞などでよく紹介されていますね。この相談をする人を「メンター」と呼び、一対一でのコミュニケーション(面接の場)を通じて、相談者の育成を支援する制度ですが、残念ながら私はこの体験をしたことはありません。経験された方は、メンター制度の感想について教えて下さい。待っています。
 企業で伸びる人を観察すると、困ったことがあるとこまめに先輩や上司に相談しています。(ただし安易に、自分で調べるより、努力するより聞いた方が手っ取り早いというタイプは除きます。)実はこれはとても重要なのです。私の経験でも、困ったことや自分ですぐに解決できないことを、恥ずかしがって隠して自分で抱え込むほどその壁は厚く、高くなります。加えて悩みや葛藤という心理的重圧へと変化して、人の心を苦しめること(ストレス)になります。私の経験からも、家族や職場仲間にも相談せず、一人で抱え込んでよい結果はありませんでした。
 ですから、身近に相談する人をキープしておきたいですね。相談するネットワーク(人脈)を確立しておこうではありませんか。私一人の知識や経験は知れていますから、開業以来この努力を続け、お陰さまで毎年少しずつですが、信頼と信用のおける人が増えています。年齢は関係ありません。私よりかなり年少でも、専門知識を持ち、信頼と信用のおける人はいます。この人脈の知恵と経験と力をお借りして、仕事に反映するようにしています。この場合、私は彼らの助言は、素直に、すべて正しいと受け入れます。
 もし、あなたが何か素朴に相談されたら、相手の話をさえぎらず、しっかり受け止めて聞きましょう。さらにうなずいて、共感しながら聴きましょう。身を乗り出してもいいでしょう。相手の困った状況には共感し、その心境を理解しましょう。時には質問しながらやりとりをして、良い点はどんどん褒めて、たくさん励まして、頑張っている姿勢を認めてあげましょう。このカウンセリング手法は、いろいろな場面でも役に立ちます。長いスパンでの人材育成と、組織力アップにおいて、経営管理者に必要なスキルの一つともいえます。

キーワード「相談する力、相談される力を持った人が間違いなく成長する人、そんな人がたくさんいる企業が、持続する成長企業になれる!」


[ 2007-08-07 16:36:58 ]


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