【創造経営本部新年会・講演会】
日本創造経営協会 平成20年新年会が,平成20年1月17日(木)東京で行われました。その時の理事長の挨拶と、グループ代表の礒部巌先生のお話を要約してご紹介いたします。
【創造経営本部新年会・講演会】
日本創造経営協会 平成20年新年会が,平成20年1月17日(木)東京で行われました。その時の理事長の挨拶と、グループ代表の礒部巌先生のお話を要約してご紹介いたします。
年頭の挨拶 日本創造経営協会 理事長 薄衣 岩雄氏
日本の伝統・文化・歴史・土壌にあったグローバリズムを導入すべき。
自分の力で乗り切る、まさに正念場の年となる。労使一体となって、自力で克服する。
イノベーションと生命の革新を継続して行なわねばならない。
創業の精神、原点、これまでの苦難を想起して、関わる人が一緒に発展する取組を継続しよう。
日本創造経営グループ代表 礒部 巌氏 創造経営マネジメントガイド2008
「創造する人と企業が未来を拓く―創造経営の原点に根ざして」
自分と全体、現在と未来、自然と経済の秩序つくりに関わる。
日本の成長要因は、①トヨタに見るJust In Time、②セブンイレブンに見るサプライチェーンシステム、③小集団活動(QC)だった。以心伝心というコミュニケーション・システムがそのベースにあった。これに対し、アメリカはITを駆使して克服し競争力を高めた。
現在の勝者は高金利の国、敗者は低金利の国であり、日本国は企業であれば実質破産状態にある。
100歳の長寿を目指す意味は、①世の中に尽くして生きていくこと、②そのために良き夫婦+良き友人+良き医者に囲まれて暮らそう。
不安が多いと世の中は、①不満が多くなる、②不信が多くなる。
今後の目標は、拡大ではなく持続可能な社会。経済力も大事だが文化をもっと大切にする社会。独自文明を創造できるように、会社も個人も生活文化を創造していこう。
日本は異人種・異文化を受け容れてきた。それができたのは生命を大切にする文化があるからである。人の仕事は神の恵みであり、より多く手をかけると改良となり、より多くの実りをもたらすという思想である。生み出す、つくる(生産する)ことに価値を認め、それらをもたらすものに感謝するのが日本人である。
創造の本質は「悲喜転換」と祖徳。原点となる連綿と連なる徳をもって、①菩薩行と②地塩世光となることである。薄衣会長は、幸福とは五徳の実践と表現した。
菩薩行とは現実の汚れの多い世界から逃げ出さずに、すべての人にそなわる仏性に働きかけて自他ともにそれを磨き出していく実践です。人さまに積極的に働きかけていくことによって、人は自分の本当の姿に目覚めることができます。そして、すべての人の仏性をいきいきと発現させるために手を差し伸べ、この現実の社会を理想の世界に変えようと努力し続けるのが菩薩なのです。
菩薩行というと一大決心を要する大仕事と考えがちですが、その願いを持てば、どんな小さなことも菩薩行です。知識があればその知識で、体力があれば体力で人に尽くし、社会に尽くしていく。それがそのまま寂光土建設の菩薩行なのです。
(『開祖随感2』) http://www.rk-youth.org/words/01/09-02.html
【2008年経営指針】
1.原点回帰
①本業を徹底的に深める。
②現場・現物・現実に基づく判断をする。
③本業に絞った人つくり、物つくり。
④できることをやる、できることを増やす。
⑤嫌われても気合を入れてやる。
2.相手の立場に立って考え抜く
①人間関係をつくる。
②本音で話す。困っていることを話す。
③経験・知識・人脈を活かす。
④技能(学び方、習得の仕方)を活かす、信用を活かす。
⑤企業群を活かす。
3.危機をチャンスに
①不良・事故の減少と現場改善。
②損失の排除とコストダウン。
③人と職場の質の改善。
④商品・サービス品質と職場信用を高め続ける。
4.事業開発と後継者育成・・・超長期で会社を見る
①企業生命(商品・技術)のライフサイクルを把握する。
②経営者のライフサイクルをつかむ。
③人が育つ職場つくり(心田開発)。
新田開発⇒心田開発 新しい田んぼの開発、物事の改革には、まず、一人一人の心の育成を何よりも大切にしなければならない。農業復興(事業、行政)は、まず、そこに住む人の心構えを改めていかなければならない。http://www.nextftp.com/basukedaisuki/hotoku0032.html
④持続可能な組織つくりと人材の育成計画。
⑤事業開発を通じ人の成長を図る。
(文責:吉見)
【リーダーへ一言】
企業組織内に働く者の年齢差の違いは大きいと思います。この「年齢差の違い」という現実は、思想・考え方・発想など、根本的に相容れないものもあるのではないでしょうか。ですから、理解の届かない場面が多々あると思うのです。その中でリーダーシップを発揮しようと思うと、リスクを背負って仕事をすること、リスクを背負って人と関わる場面があることを意味します。リーダーとして、変わりゆく経営環境に適合させようと、組織の価値観や制度、仕組み、慣行を変えようとすると、多くの現状を維持したい人、変えたくない人、変わりたくない人たちからブーイングや攻撃を受けることでしょう。本来集団とは、相互依存的なものなのですが、時としてエゴが噴き出ます。そんなとき、自分を冷静に見つめるもう一人の自分がいる感覚を持つことが大事です。自己客観化です。そこで自分に課せられた使命をしっかり確認し、思いをおおいに燃やし、目標を完遂するべく試行錯誤して行きましょう。個人の才能と、チームの力が高まってバランスする場面を探しましょう。つらく苦しいのですが、信頼する仲間と、手を取り合って、結果が得られるまでやりぬきましょう。お客様のニーズを満たすものが、最後は会社の将来を決めるのです。
【趣味:音楽】
今年の初コンサート(ニューイヤーコンサートというのでしょうか)は、雅楽でした。講演情報の入手が遅く、昨年も一昨年もチケットが買えず、今年やっと聴きに行けました。演奏者は伶楽舎、地元の雅楽愛好家のグループと思い込んでおりましたら、全く違いました。武満徹作曲の雅楽(1979)に『秋庭歌一具』があるそうです。6曲からなる一具(一揃い)で東京楽所(中心メンバーは宮内庁楽部)初演。当時の伶人たちの多くが「これは雅楽ではない」と決め付けた中で作品にほれ込んだのが芝祐靖さん。宮内庁を退職しこの作品の演奏のために同志と「伶楽舎」を結成したとのことです。音楽監督の芝祐靖さん(好々爺の雰囲気でした)は基本となる古典雅楽の端正な演奏を目指しつつ、一方で伶楽舎の独自路線として、彼自身が長く手がける廃絶曲の復元演奏や正倉院復元古代楽器による演奏、そして現代作曲家による新作雅楽の演奏を積極的に展開してきたということですから驚きです。なお「伶楽舎」とは「伶倫楽遊舎」の略称で、楽人の祖とされる古代中国の「伶倫」に因み、雅楽の源と新しい雅楽の創造を探求する、従来の枠にとらわれない自由な活動を目指してつけられた会名とのことです。【引用:http://www.reigakusha.com/】
メンバー十数名が奏でる和音階は、笙・篳篥という楽器の発する音が揺らぎの波動を伴って客席に伝わり、宇宙空間を思わせる不思議な気分(洋楽とは全く異なる心地よさでした)にさせていただけました。皆様も機会があれば雅楽もいいですよ。
【CRICサイクル】(日経ビジネス2008.1.7. P14から引用)
モルガン・スタンレー証券経済研究主席である、ロバート・アラン・フェルドマン氏が打出した概念です。縦軸に改革のスピード、横軸にGDP(国内総生産)や株価を取ったグラフをイメージしましょう。次の循環が見えると氏は言います。成長が続き、改革の手綱を緩めると「怠慢」に陥り、景気が後退する。そこで「危機」(Crisis)を感じて、「反応」(Response)し、「改革」のスピードが上がると「改善」(Improvement)となるが、多くの場合再び「怠慢・自己満足」(Complacency)に陥り、再び危機を招く循環を指すというものです。
改善が進まない企業、赤字から黒字転換できない企業の辿る道にそっくりです。そのような企業からは、経営コンサルタントに指導力がないと言われ、悔しさをばねに頑張っています。
[ 更新:2008-02-02 14:02:41 ]