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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

吉見事務所通信 2008年1月号より(第50号)

【平成20年はどんな年】【ライフサイクル:運勢】【学生に求めるもの】【社員の成長:部下の心の絆診断シート】【福島章著 「犯罪心理学入門」 中公新書】【リーダーへ一言】

【平成20年はどんな年】
 今年の元旦は実に穏やかなお天気でした。苫小牧は風もなく雪もなく、明るい日差しが降り注ぎました。いただいた年賀状の一言の添え書きから、相手の心に思いを馳せることができます。私は昨年に続き、今年も何か一言を添えて年賀状を書き、投函できたことが少し良かったかな、などと思いつつ住所録の整理をしております。
 日本経済新聞NIKKEIプラス1(2007.12.29)に「今年と来年、漢字一文字で表すと?」という記事がありました。過ぎゆく2007年(亥年)のトップが「忙」、後は疲-変-忍-苦-耐と続きました。多くの方が大変だったようです。私の10年ほど前(独立前)は、とにかく忙しく給料より休養が欲しい、職場の中で自分のグループだけ何か変、上司や年長者のために忍耐、苦労も甘受という仕事をし続けましたが、仕事の質の急低下に加え体力気力に限界を感じ退職を決めました。その思いがよぎる文字の選ばれ方です。当時のサラリーマン川柳に「無理をさせ、無理をするなと無理を言う」という句があり、いまだに強く記憶に残っています。
 一方今年2008年(子年)は、トップの「楽」から、後は笑-健-幸-明と続きました。明るく、楽しく、笑顔いっぱいで健康な家庭生活をベースに、仕事にも励みましょうということでしょうか。
 良い歳になりますようにと願い、福の訪れを待つこともいいと思いますが、仕事の場(経営の現場)では、良い結果を導く働き方に取組み、関わる人に評価され、資金に還元できて利潤を生んで再配分ができます。良い結果を産む生き方、働き方を試行錯誤する1年が始まります。今年も一緒に取組んでいきましょう。

【ライフサイクル:運勢】
 皆さんの今年の運勢はいかがですか。私はメンテナンスの年、充電の年、八方塞の年、無理は禁物のようです。頭から信じこむことはしませんが、参考にはします。独力で進むのではなく、人の力をお借りする心境でことに当たる1年となるでしょう。
 景気の循環にキチン、ジュグラー、クズネック、コンドラチェフ等のサイクルがあります。ライフサイクリ理論や、バイオリズムなどもあり、人には個々人では統制できないリズムがあるような気がします。短くは3年毎、私個人的には9年周期が当てはまりますし、12年周期の方もいるようです。
自分のリズム、波動を尊重して今年も納得できる毎日を積み重ねていきましょう。

【学生に求めるもの】
 2007年10月にディスコ「企業の新卒採用調査」(インターネットで実施)されたものです。学生に求めるということは、今の企業に欠けているものと言ってもいいのでしょう。文系、理系に関係なく上位に来るものは、①コミュケーション力、②熱意、③ヴァイタリティー、④専門知識、⑤明るさ、⑥基礎学力でした。
30年前の自分を思い返すと、大学卒ならばある程度の基礎学力は備えて当然、専門知識はわずか4年間という大学生活の限界はあるものの、専門の勉強の仕方は覚えて卒業するものというのが普通でした。
 熱意とヴァイタリティーは、自分自身を振り返っても、現在の仕事で関わる企業を見ても個人の資質差が大きいですね。外からの刺激や教育で変えることが難しい反面、自分自身でこれをやりぬこうと決意をすると、信じられないほどの変わり方をするものです。家系調査を通じ、両親や先祖の苦労や悲しみ、徳や不徳を再確認し、自分に残された課題や宿題に気づける人は、熱意とヴァイタリティーに溢れていきます。これは本当です。是非取組んでいただきたいものです。
 コミュケーション力は実務でも難しいテーマです。「コミュニケーション力」と尋ねると、中高年でも「単に誰とでも気軽に話せる力」というレベルのことと認識している人がたくさんいます。働く現場では、相手の意図を引き出し、相手の気持ちを受け止め、こちらの意図を伝える交渉・説得などに生かせるレベルの力が要求されています。このことを理解して自分のコミュニケーション力を鍛えていくことが必要なのですが、これには現在の私も試行錯誤です。相手(階層の違いや年齢の違い、職種の違い、男女差など)により反応は様々だからです。同じ言動が正反対に受け止められることもあります。私に「コンサルタントのくせに空気が読めないから」と言われれば確かにそれまでです。素直に謝るしかありません。
社会での仕事はほとんどがチームワークで運営されます。分業であっても同じです。コミュニケーション力が求められるのは、営業職だけではありません。例えばSE(システムエンジニア)、技術力(スキル)はもちろんのこと、それ以前に、共に仕事をするメンバー間や、取引先との間でコミュニケーションが取れていないと、期待通りの仕事を遂行することができなくなってしまいます。例えば、仕様が固まらない、納期が違う、出来上がったものが依頼したものと異なる、コスト採算が合わないなど大問題となるからです。
 きれいごととよく言われますが、相手ときっちり向き合い、分からないから話し合う、分からないから聴くということを積み重ね、理解と信頼を深めることが一番と思います。

【社員の成長:部下の心の絆診断シート】
 2007.6.30の日本経済新聞に、親子の「心のきずな」診断シートというのがありました。子を社員(部下、後継者)に置き換えて作りなおしてみました。当てはまる所をチェックしてみて下さい。何に気づきましたか。場合によっては、部下を配偶者と置き換えると、新たな気づきがあるかもしれませんね。

□ 部下の良い所を10以上言える。
□ 1日1回は部下を褒める。
□ 部下が嬉しい時、悲しい時を分かっている。
□ 部下の取引先の担当者、その経営者などの名前が言える。
□ 1年前に比べ、部下が成長した部分を言える。
□ 部下と毎日15分以上会話をする。
□ 部下がほっとする職場作りを心掛けている。
□ 楽しい食事(休憩時間)を心掛けている。
□ 部下の様子で気になることがあれば話し合う。
□ 挨拶の仕方などビジネスマナーを積極的に教える。
チェックが、
0~2個:要注意。部下のSOS信号に耳を澄ませ、触れ合いの時間を増やしましょう。
3~6個:問題なし。心配せずに部下との絆を深めましょう。
7~10個:十分な絆が形成されています。

【福島章著 「犯罪心理学入門」 中公新書】
 学生時代読んだこの本を、昨年暮れに読み返しました。当時刑法のゼミを選択しており、責任論の勉強にこの本も買って読んだと思うのです。最近の近親殺人やネットを通じた殺人請負に、何が変わったのだろうと思いつつ、古い本を読み返しました。現在の社会を見る上で、人を考える上でのヒントがありましたので、以下抜粋して紹介します。

*自分の人生に自分で責任を背負う覚悟がない限り、自主的な決意やその持続はあり得ない。
*他責は見果てぬ夢への甘えである。
*「情勢」とは、同情・憐み・羞恥・後悔・良心といった人間に固有の、人を人たらしめる感情的能力を言う。この情勢を欠く人や、これらの乏しい人は、他者の苦痛・運命・不幸に対して鈍感なだけでなく、自己の危険・苦痛・未来に対しても無関心であることが多い。情勢が欠如すると、他人との間に暖かい共感的関係を結ぶことができない。自分を大切にしない人は、他人も大切にしない。自殺未遂者は、自己の生命の存否を苦にしないため、他人の生命も何とも思わない。
*反省と悔悟の心が、深く長続きするエネルギーとなる。
*自己中心とは、心に他者がいない状態。
*意識も無意識も、生まれ落ちてから現在までの歴史を持ち、過去の記憶や体験を包含し、それらに規定されている。
*人は母親との関係で愛情や安心感を受け取り、甘えが満たされることを体験し、世界に対し基本的信頼関係を抱く。窃盗犯は乳幼児期に母親の愛情に恵まれず、その愛情飢餓の代償として金・菓子・モノを盗む。
*非行地域では、教育の低さ、貧困、躾の問題も絡み、反社会的価値観や犯罪行為が人から人へと伝播される。犯罪行動が模倣されていくのである(ショウとマッケイの理論)。

【リーダーへ一言】
 顧客満足とは、顧客のいいなりになることではないでしょう。顧客と交渉をして、部下に働きやすい環境をつくることもあるでしょう。顧客より苦情を言われても、必ずしもあなたという人間自体が悪いとは限らないでしょう。顧客と正対し、真摯に交渉しなかったことが反省点とであるなら、自分の仕事の進め方が悪かったのです。
 相手の言いなりになることを、延々と続けているとい「自分はダメなんだ」と自己卑下する発想に傾いてしまいます。相手を尊重することにばかり気を遣い、結果として自分の考えをないがしろにしてしまいます。また、相手に合わせてばかりいると、本来保有する自分の潜在能力や可能性が発揮できず、ドンドン錆ついていきます。何をしてもやりがいや充実感が得られません。
 現場は常に変化しなければいけませんし、同じ状態は長い目で見ると停滞です。現状打破も任務とするリーダーには主体的に積極的に仕事に取組んで欲しいものです。私自身、従属的・隷属的な仕事を強要された時期(当時は立ち向かえませんでした・・・)は思い出したくないし、二度と戻りたくないからです。

★この事務所通信は、現在仕事で関わるお客様、あるいは過去に関わったお客様、送付希望をいただいた方に対し作成都度送付しております。内容につきましても、参考になるならない、まとまりがない、的が絞りきれない、きれいごとなどいろいろ感想はあるようです。それぞれに正しい感想と思います。何といっても情報過多の時代です。印象に残るものがあれば活用いただき、つまらなければ読み捨てて下さい。毎日の仕事の中で、こうありたい、こう変えていこうという思いで私はこの事務所通信を書いています。ドロドロした現実がたくさんあるからこそ、きれいなものに変えていっていただきたいと願うからです。

[ 更新:2008-01-04 16:16:18 ]

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